FormReachブログ記事
問い合わせフォーム
約3000件の独自調査

問い合わせフォームの入力項目を約3,000件調査|会社名欄がないのは55.3%

2026-08-27
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問い合わせフォームは、BtoBの新規開拓で毎日使われています。それなのに、そのフォームがどんな入力欄でできているのかを実際に数えたデータは見当たりません。

そこで日本企業の問い合わせフォーム約3,000件のHTMLを取得し、入力欄の構成を集計しました。結果を公開します。

調べたこと結果
会社名の入力欄がない55.3%
営業・提案を選べる問い合わせ種別がある0.9%
本文欄に文字数制限がある23.4%
電話番号が必須38.8%
何らかのボット対策がある24.8%
入力欄が11個以上ある35.0%

会社名を書く欄は、半分のフォームにない

最も意外だったのがこれです。会社名の入力欄があったのは44.7%。55.3%のフォームには、社名を書く場所そのものがありません。 必須に限れば14.9%まで下がります。

入力項目欄がある必須
メールアドレス97.3%72.2%
氏名95.4%71.7%
問い合わせ本文99.1%52.0%
電話番号79.1%38.8%
フリガナ41.9%24.3%
会社名44.7%14.9%
住所37.0%12.1%
問い合わせ種別16.7%8.6%
郵便番号24.8%6.7%
部署名9.5%1.4%

会社名欄がなかったフォームは、98.5%が部署名の欄も持っていませんでした。法人からの連絡を、そもそも想定していない設計です。

意外に多いのが電話番号で、欄があるのは79.1%、必須は38.8%。メールだけで完結すると思っていると、4割近いフォームで足が止まります。

会社名欄の有無は、業種で3倍違う

業種別に見ると、はっきりした差が出ました。

業種件数会社名欄あり電話番号必須入力欄の中央値
電子部品・通信機械9470.2%43.6%10
機械器具12360.2%41.5%10
通信・放送14158.9%36.9%7
インターネット関連サービス11357.5%33.6%7
その他サービス業17650.0%37.5%8
その他(研究調査・コンサル業)12643.7%37.3%8
建設業36242.3%47.0%9
運輸・郵便9740.2%33.0%8
生活関連サービス業12930.2%43.4%8
不動産業11023.6%33.6%11
介護・社会福祉15622.4%34.0%8

上位の電子部品・通信機械と、下位の介護・社会福祉で3倍以上の開きがあります。

並べ替えると分かりやすいのですが、これはその会社が誰を顧客と想定しているかの順序とほぼ一致します。取引相手が企業である業種ほど会社名欄を置き、個人が相手の業種ほど置きません。フォームの構造は、その会社の顧客像をそのまま映しています。

企業規模でも同じ傾向が出ました。

従業員数件数会社名欄あり電話番号必須入力欄の中央値
〜2人59238.0%35.8%7
〜5人38440.9%40.1%8
〜10人33548.4%39.4%9
〜20人29550.5%40.0%9
〜50人24150.6%48.5%8
〜100人13253.8%34.8%10
〜200人7653.9%38.2%11
〜500人4860.4%45.8%11

会社が大きくなるほど会社名欄を置き、入力欄も増えます。小規模な会社ほどフォームは短く、法人向けの項目を持ちません。

「営業です」と名乗れるフォームは1%未満

問い合わせ種別を選ぶ欄があったのは16.7%でした(セレクトボックス形式5.5%、ラジオボタン等11.5%)。

その選択肢に何が並んでいるかを、該当フォーム全件について確認しました。

選択肢に用意されているもの件数全体比
「営業」「提案」「売り込み」を選べる7件0.3%
業務提携・協業・代理店まで含める22件0.9%

99%以上のフォームには、営業だと申告する場所がありません。 多かった選択肢は「その他」「採用について」「商品について」「資料請求」「取材」で、営業提案を想定した設計にはなっていません。

1件だけ、逆向きのフォームがありました。「商品の営業・売り込み・挨拶等に関するメールでは無いことに同意します」というチェックボックスです。名乗る場所がないどころか、営業でないことの確認を求められます。

なお「営業お断り」と明記されていたフォームは3.7%でした。文言の見つけ方と、送るべきでない窓口の判断基準は営業を避けるべきフォームの見分け方で整理しています。

「本文は200〜300字」に根拠はなかった

フォーム経由の文面について「200〜300字に収めるべき」とよく言われます。技術的な裏付けがあるのかを調べました。

本文欄にHTMLの maxlength 属性で文字数制限が設定されていたのは23.4%だけ。しかもそのうち87.0%はちょうど2,000字で、フォーム作成ツールの初期値がそのまま残ったものと考えられます。

文面の長さHTMLの属性上は入力できる割合
200字99.4%
500字98.5%
1,000字98.3%
2,000字97.4%

500字でも1,000字でも、HTML上の制限に引っかかる割合はほとんど変わりません。 ただし、送信ボタンを押した後にサーバー側やJavaScriptで文字数を検証するフォームも存在します。そうしたケースは今回の静的解析では検出できないため、実際に弾かれる割合はこの数字よりやや高い可能性があります。

いずれにせよ「200〜300字」は入力欄の制約ではなく、読み手の都合から来た経験則と見るのが妥当です。

送信が通らない理由は、文面とは限らない

文面の問題とは別に、送信が完了しない技術的な要因もあります。この点について、入力項目の多さとボット対策について集計しました。

まず入力欄の数でnす。中央値は8個で、884件(35.0%)は11個以上ありました。

入力欄の数件数割合
1〜5個612件24.2%
6〜10個1,031件40.8%
11〜15個562件22.2%
16個以上322件12.7%

手作業で1件ずつ送ると想像以上に時間がかかるのは、この項目数が理由です。1件あたりの所要時間と件数の関係はフォーム営業の送信スピードとは?で詳しく扱っています。

ボット対策の設置状況は次のとおりです(調査対象2,998件に対する割合)。

種別件数割合
対策なし2,255件75.2%
reCAPTCHA v3553件18.4%
reCAPTCHA v2133件4.4%
画像認証28件0.9%
Cloudflare Turnstile17件0.6%
reCAPTCHA Enterprise9件0.3%
hCaptcha2件0.1%

4件に1件は、何らかのボット対策を通過する必要があります。 送信できない原因を文面に求める前に、この割合を知っておく価値はあります。ボット対策以外に送信を止める要因については送信成功率とは?見方と注意点で解説しています。

フォーム営業の実務にどう活かすか

この調査結果を踏まえて、フォーム経由で連絡を送る際に押さえておきたいポイントを3つ挙げます。

1. 社名と連絡先は本文にも書く。 会社名の入力欄がないフォームが55.3%。入力欄だけに頼ると、半分以上のケースで送信元が相手に伝わりません。本文の冒頭か末尾に社名・担当者名・連絡先を記載しておくのが確実です。

2. 用件は冒頭で明示する。 問い合わせ種別に「営業」を選べるフォームは1%未満。受信側の受信箱には顧客からの質問も採用応募もすべて混在しています。件名や本文の1行目で「何の連絡か」が一目で分かるようにしましょう。文面の作り方は文面パーソナライズで返信率が変わるを参考にしてください。

3. 電話番号やフリガナを事前に用意する。 電話番号必須が38.8%、フリガナ欄があるフォームが41.9%。手元に情報がないと入力で手が止まり、送信効率が大きく落ちます。

調査方法

日本国内の実在企業の問い合わせフォームURL 2,998件を対象に、2026年8月に集計しました。各URLのHTMLを取得し、form 要素内の input / textarea / select を、ラベル・placeholder・項目名から判定しています。取得できた2,762件のうち、フォームを検出できた2,527件が解析対象です。

なお、取得したのはページだけで、フォームの送信は一切行っていません。robots.txt を尊重し、同一サイトへのアクセス間隔を空けて実施しました。

判定は自動処理なので、誤り率も測定しました。判定結果から無作為に300件を抽出し、判定に使ったのとは別の方法で突き合わせたうえで、疑わしいものは目視で確認しています。「会社名欄なし」と判定した150件のうち誤りは1件(0.7%)、「会社名欄あり」と判定した149件では0件でした。

問い合わせ種別の選択肢については、「営業所」「営業職」「営業時間」「自営業」といった無関係な語を機械的に拾ってしまうため、該当フォームを全件目視で確認しています。

この調査の限界

  • JavaScriptで描画されるフォームは、HTMLの静的解析では検出できないため解析対象に含まれていません。
  • 必須項目はHTMLの required 属性とラベルの「必須」表記で判定しているため、JavaScriptだけで入力チェックをするフォームは拾えません。必須率は実際よりやや低めに出ています
  • 入力欄の意味は項目名やラベルからの推定であり、判定誤りが一定数含まれます
  • 対象はフォームURLのデータベースから抽出したもので、日本の全法人の分布とは一致しません。所在地は東京都が31.0%を占め、従業員20人以下が67.2%(規模が判明している2,622件に限れば76.8%)です。小規模な企業に偏ったサンプルである点は、業種別・規模別の数値を読む際にご留意ください

この調査の引用について

本記事の数値・表は、出典とリンクを明記いただければ、許諾の申請なく自由に引用・転載していただけます。レポート・記事・社内資料・登壇スライドいずれの用途でも構いません。

出典表記の例:

出典:FormReach「問い合わせフォームの入力項目を約3,000件調査」
https://www.formrea.ch/blog/contact-form-structure-survey

Webページに掲載する場合:

<a href="https://www.formrea.ch/blog/contact-form-structure-survey">
  出典:FormReach「問い合わせフォームの入力項目を約3,000件調査」
</a>

数値の解釈や、集計軸を変えた再集計についてのご相談も受け付けています。

まとめ

  • 会社名の入力欄がないフォームが55.3%。 法人からの連絡を想定していない設計が半数を占める
  • 会社名欄の有無は業種で3倍の差。 フォームの構造は、その会社の顧客像を映している
  • 文字数制限があるのは23.4%。 「200〜300字」に技術的な裏付けはない
  • 4件に1件はボット対策あり。 送信が通らない原因は文面とは限らない

フォーム営業そのものの全体像はフォーム営業とは?意味・特徴・進め方をやさしく整理、送信の成否については送信成功率とは?見方と注意点で解説しています。

記事執筆者
渡邊 直樹

N4合同会社代表・ソフトウェアエンジニア東京大学理学系研究科修了後、AIスタートアップの創業メンバーとしてプロダクト開発から上場までを経験。現在は生成AI技術を活用したソフトウェアサービスを開発・運営中。物理と数学書を読むのが好きで、毎朝30分間の読書を日課にしている。

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